船長、最悪の選択・・・3

19時10分西風が最大瞬間34mをマークしてから

急に風は落ちた

風は落ちたのに西からコントロールしづらい波が

両舷を追い越し、そのつどコースを逸脱する

戦うことに疲れ果てへたり込みたい

潮時である・・・

潮も、波も、風も我々を島には寄せないと信じよう・・・

ヒーブーツー(漂流状態)の準備をする

23時高緯度の夏の明かりもやっと夜のモードに入る

妻にワッチ(見張り)を交代し

私は外で仮眠に入る

遠く航海灯が何個か見える

彼らも戦いに疲れているのだろうか・・・

写真上  7月29日03時光が戻ってきた

ウニマク島もはっきり見える

熱い甘いミルクでパワーを注入する

写真上  「ウニマク島の三人の魔女」・・・

この三つの氷をまとった火山がやっと全身を現した

写真上  Pogromni Volcano 標高6520フィート

花嫁のベール・・・

写真上  Shishaldin Volcano 標高9372フィート

威厳ある容姿・・・

写真上  Isanotski Peaks 標高8135フィート

個性的な存在感・・・

 

紀元前アレウト人全盛の時代から

何隻ものカヌーや船をほんろうし、あるものは海底へ

あるものは満身創痍にし、もて遊び・・・

 

そして今は微笑んでいる。