Ketchikan・・・アメリカ出国準備・・・2

入管の事務所へ・・・10月29日の出国を告げる
パーツ・センターにて、排水ポンプの部品、カナダの海図、カナダ国旗等購入
この船の排水溜まりは小さく、常に排水ポンプが働き故障が多い
つきの船を選ぶならば、大容量のビルジ(排水)溜まりがポイントだ・・・

バスでスーパー・マーケットへ・・・食糧購入

本棚の整理が付き、室内整然となる・・・気持ちよし!

沢山の作業をした割には、今日は負傷しなかった・・・作業する時は妻が何時もバンドエードをあらかじめ用意する・・・

雨の中、ケチカン・ヨット・クラブ会長 ハンクさん来船

写真上  Kechikan Y.C. 会長ハンクさん

ケチカン~プリンス・ルパート~ヴァンクーバーまでの航路レクチャー

一般的な情報に加え、彼のヨット仲間、美味しいレストラン等親切に教えてもらう・・・4泊の係留料は無料にしてくれた

写真上  カナダの海図

カナダの海図は、英語とフランス語で表されており、英国や米国、日本のそれより表現や見やすさ、カラーリング、紙質等、数段良く出来ている・・・

ケチカンの裏山に積雪・・・
日暮れの時間が早くなってきているのが気に掛かる・・・

Ketchikan・・・アメリカ出国準備・・・1

10月25日(日曜日)
土・日曜日は入管も税関も休みである

雨が降り出し外出はしたくない・・・
船内整頓・・・使用済みの海図収納など

読書、マイクル・B. セイボム 「あの世からの帰還」―臨死体験の医学的研究
この本は抜群に面白い・・・

私は23歳のとき、谷川岳・一の倉沢で登攀中墜落し、その時の経験がこの本の内容と一致する・・・

この時の経験が「死」に関する観念を一新させた・・・

「死はそんなに苦痛ではない」・・・と

題名の「あの世からの帰還」が示すとうり「死ねなかった人の証言」だから本当のところ「死んだらどうなる?」かは分からないが!

続編も出ているので、興味ある人へはお勧めである・・・

 

ケチカン・ヨット・クラブのゲスト「SIERRA」から招待あり

写真上  ヨット「SIERRA」のシエラとジャック夫妻
妻は持参するべくアップル・パイを作り始める

シエラたちは何年もこの海域に滞在している・・・
カリフォルニアのサクラメントから北上しアラスカに魅了された
12月はサンタクロースのアルバイトで収入を得ると・・・似合いそう
彼らの船は生活感一杯に散らかっている・・・我々以上・・・居心地は良い
この海域の行くべき場所など、いろいろ教わる
翌年の内海航路で、何度も会うことになる・・・

夕食、具沢山で寄せ鍋のような、湯豆腐d・・・

Ketchikan・・・国境の町へ

10月24日(土曜日)

07時、メグとリー夫妻は会議のためにKetchikanへ

写真上  二人を乗せた水上機

09時55分、出港、1026mb気圧は上がり続けている
比較的波は静かだが、少々寒い

11時51分、Ship I.南西1海里、1028mb、南東の風12m

13時23分、Caamano Pt.(カマーニョ岬)相変らず流木多し

14時16分、Guard I.西1海里、1029mb、南東11メートルの風・・・いよいよTongass Narrowsへ入る

写真上  レーダーの画像・・・Tongass Narrowsは、ご覧のとうり狭い水道である

レーダーの画像に残像が点々と高速で近づく物体が写る

写真上  早い筈だ・・・水上機が飛んで来る
手を振り挨拶すると翼を振って答礼してくれる・・・

16時20分、ケチカンのThomas Basin に入り仮舫

税関の助言でKetchikan Y.C.(ケチカン・ヨット・クラブ)の桟橋へ移動する

妻、フェンダー装着時、転んだと泣きべそ・・・

ヨット・クラブのシャワーを借りる

妻、ランゲルの美容院で前髪を切りすぎたと不機嫌・・・
多分、疲れているのでしょう・・・

国境の町である、中華料理店で外食・・・チャプスイ25ドル・・・美味い!

Meyers Chuckの夜

強風の朝、デッキ上のゴミをカラスが漁っている・・・始末を忘れていた

写真上  追っても直ぐ戻ってくる・・・老齢のカラスだ

10時の気象用FAXを見ると風は弱まりそう、海賊の委員会(委員長は妻)は「駄目なら帰る・・・」ことにして、出港を決定

10時50分、気温13℃、1008mb、若干のウネリ、航行ルートは風かげで影響なし

12時、Luck Pt.東1.5海里、1009mb、南東9mの風・・・島の森は無残に伐採されアラスカらしさは無い

13時、1010ミリバール・・・気圧の上がり方が早い、南東14m

14時、Narrw Pt.北東2海里、1011mb、南東18mの風・・・風かげが終わり風強く感じる・・・視界良好

写真上  海岸に大量の流木が積み上がっている

Clarence StraitとErnest Soundが交わる海域に、大量の流木が集まり悩まされる

15時、今日の泊地、Meyers Chuckの入り江が狭く分かりづらい・・・入り口に有る筈の岩礁が見つからず緊張する

港内に入ればコンパクトな居心地の良さそうな所だ・・・

写真上  右奥が入り口、狭く岩礁が多い・・・夜の出入港は怖そう

写真上  桟橋側は水上機の滑走水面だ

長身のリーさん来船し、学校のシャワーを使う許可をくれる・・・この学校の教師だった・・・奥さんのメグさんも教師だ

夕食が終わったら自宅へ来いという・・・近くのUnion Bayに住むヨッティー、ベーニーさんも来ていた

メグとリー夫妻の小学校は生徒5人、あと一人減ると閉校になり子供達は通信教育となり、彼らは転勤しなければならない・・・

兄弟二人の家族が引越ししそうで、ここが大変気に入っている彼らの目下の悩み・・・

ハーブ茶と砂糖もバターも使わないクッキーを頂く・・・

写真上  メグとリー夫妻・・・ヒッピー世代?

ヴェジタリアンの彼等は日本の食文化に興味を示す・・・特に豆腐の作り方を教えろと言うが・・・勉強しておけば良かった・・・

自分達で海苔の養殖もしていた・・・乾燥のプロセスを知りたがっていた

船から海苔を持って来てプレゼントする・・・プラスティックみたいと感想・・・

多少心得のある茶道の話になるも、茶道の精神などとなると・・・英語力が問題で話はあまり深まらない・・・残念!

写真上  ベーニーさん

物静かなベーニーさんはUnion Bayも良い所なので来年の夏は是非寄ってくれと言う・・・

そして、カナダに行ったらLasqueti Is.でジャンク風のヨット「中国雲(China Cloud)」のシャリーとアラン夫妻に会うと良いと言う・・・興味深い話を聞けるだろうと・・・

ラスケチ島はヒッピー文化の島で、化石燃料を極力廃し、風力や太陽光発電で暮らしているそうだ

ベトナム戦争当時は沢山の脱走米兵士をかくまった伝説の島と言う

これから南下して、頼りになりそうなヨット仲間を何人か紹介してくれた・・・

夜遅くまで話込む・・・英語に疲れたが良い雰囲気の歓談だった

Coffman Coveのレイジーな3日間

10月21日、06時起床、06時30分出港するも海は大荒れ

海賊船長(私)は委員会(妻と私)の意見を受け入れ出港中止

名著「カリブ海の海賊たち」の影響が抜けない・・・

入り江の中は静かだ・・・

 

次の低気圧が以外に早く来ているようだ

写真上  プライベート水上機・・・しっかり舫っている・・・

こんな天気の中でも、定期便の水上機は飛んでく

写真上・・・一日2便飛来する

終日読書と、昼寝・・・

 

翌朝も強風・・・この風は気圧が上がり始めたためか・・・?

水中考古学の本「海の秘宝物語」三杉 隆敏、なかなか興味深い本だ

もう少し、掘り下げた本も読んでみたい・・・

「海のシルクロード」戸川安雄、まとまりの無い本で眠くなる

写真上  スモール・ボート桟橋

ハーバーマスター氏やって来て、7ドル(係留一泊分)徴収・・・

「一週間、居ていい・・・」との事・・・一日1ドル?!

 

夕食のチキン・ソテー・・・絶品!

写真上  風は大分治まってきた・・・

原木積み出し港・・・Coffman Cove

朝から雨だが昨日の気象用FAXを見て出港を決める

ランゲルには4日滞在した

ハーバーマスターは電気代のみの請求30ドル・・・係留料は要らないと

 

08時40分、出港、沖に霧、雨雲も低く朝の高原の風情だ

森の伐採された跡が、みすぼらしい・・・

写真上  運搬船から落水した丸太が岸に打ち上げられている

集めれば一財産だ・・・ネイティブはこれを薪にして売っている・・・

11時27分、Round Pt.で流木に激突!流木多し!

写真上  流木、注意はしているが見え辛い・・・プロペラが心配だ

 

12時41分、Pt.Harrington

日が差して暖かいと思ったら、急に強い雨が降り直ぐ止んだ・・・

相変わらず流木が多い・・・入り江を遡る

14時55分、コフマン・コーブの桟橋に到着

写真上  対岸はログ・キャンプ、筏が係留されている

 

写真上  観光よりも産業的要素が強い港だ

川の水が混じり茶色の海面・・・

筏が組まれ海面に浮いている・・・小さい港だ

写真上  伐採現場は入り江の奥・・・筏にして引き船で運搬

木枠の中で貯蔵し運搬船の積載を待つ・・・

 

ハーバー・オフイスの雑貨店で生牡蠣を買う

夕食、前菜は殻付焼き牡蠣、そして牡蠣フライ

身はホッコリと厚みがあり、ジューシーで牡蠣の濃厚な香りがする・・・

冷やしたドライな白ワイン「シャブリ風」を・・・何個か食べ、ワインでリフレッシュし、また食べる・・・至福の夕餉だ

 

Ketchikan(ケチカン・アラスカ南端の港)まで60海里

海象がよければ明日、直行しよう・・・!

Wrangell (ランゲル)で足止め・・・4

昨夜半から南西の強風・・・25m、ミゾレは雨になる

気圧899ミリバール!!

 

「カリブ海の海賊たち」 (新潮選書)クリントン・V. ブラック (著) 増田義郎 (翻訳) ・・・読了

内容は非常に面白いが、翻訳が今一つで読解に苦戦した・・・

海賊たちは以外にも民主的に、委員会で物事を決めていた・・・!

そして、ヤッパリ、女海賊の方が残酷だった・・・!

写真上  ハーバーマスター事務所

写真上  水上機・駐機桟橋

写真上  ランゲル・メインストリート

写真上  学校帰りの子供達

13時を過ぎると風も治まり陽光もこぼれる

76Lubricants Company(給油所)のシャワーが無料で使える・・・ありがたく使わせてもらう

気分一新、散歩へ・・・

写真上  住宅地の対岸トーテムポールの丘

写真上  港の小島に建つトライバル・ハウス(種族の家)

ロシア人が入植する前から、この港の中の小島がネイティブ・コミュニティーの中心地だったのだろう

写真上  トーテムポールの熊

写真上  鳥族?

 

夕食、ボルシチ、サラダ、クロワッサン・・・スパーマーケットの恩恵なり

Wrangell (ランゲル)で足止め・・・3

「沈殿」クライマー仲間は悪天候などで行動できない状況をこう言う

「沈殿」の朝寝坊は幸せである・・・桟橋から電気もとれる

写真上  インナーハーバーと陸電のポスト

インナーハーバーは港内の小島の影にあり浅く、ヨットは入れない

写真上  トーテムポール・・・左はオルカ、右は熊

 

電気ヒーターは温かく静かである・・・読書灯も陸電で明るい

昨夜は遅くまで読書

井伏鱒二「ジョン万次郎航海記」そして「本日休診」好きな作家だ

 

寒いが郵便局へ・・・読み終わった本をニューヨークの友人へ送る

小雪ちらつく・・・

写真上  街中の教会

 

午後、色川大吉「ユーラシア大陸思索行」を読み出す

詰まらない本だ・・・題名は素晴らしいのに・・・

 

気分を変えて、ウイリアム・カッツ「マンハッタン連続殺人」

私のなじみの街で事件が起き、抑制の効いたストーリー展開が好い

古いN.Y.のモザイク・タイル張りの薄暗く少し甘い香りのする廊下、

重い分厚いドアには3~4箇所鍵が付いている・・・

砂岩を削り出したビルのデコレーション、入り口の階段に座る老人・・・

行間にニューヨークのウエストサイドを思い出す・・・

 

いつか外は湿雪の本降り、甲板はシャーベット状になっていた

夕食はポテトコロッケ・・・妻は私に「三人前は食べた・・・」と

ホクホクで温かで旨かった・・・そして、また読書・・・

 

Wrangell (ランゲル)で足止め・・・2

航海への日和待ちである

それならば、するべき仕事を片付けよう

旅はロマンだけでは前へは進まない・・・日々の暮らしがある

写真上  トーテムポールとアウターハーバー

気温が下がると、船内に結露が出来始める

被害が出始めているのは書籍類だ

水路誌以外でも200冊以上の本を積んでいた

 

一旦、収納場所から出し船体の間に断熱材入れる

船の中央テーブルに本の山が出来る・・・ダメージのある本は乾燥する

読み終わった本は奥へ

読んでなかった本の分類作業は進まない

随分前に興味を持ち購入したが読んでいない本が多い

古本屋の立ち読みみたいに・・・作業は進まない

 

清水の汲み上げポンプの不調も直したいし・・・

写真上  地元新聞社の記者登場・・・可愛いラッコに似ている・・・?

Wrangell Sentinelのルイス記者

この島に初めて来た日本のヨットだと言う

旅の動機やエピソードなど取材される

私達は観光や生活情報をもらう

妻は美容院を探していた・・・二軒あるそうです・・・大きな街だ

 

夕食・・・ハリバットのトマト煮込み他・・・美味!

 

夜、船体をノックする音

「我が家の猫が、おたくのスキッフ(小船)の下に・・・」と

妻張り切って出て行くが・・・

飼い主の「キィリー、キィリー・・・!」の声で桟橋にダッシュし消えた

Wrangell (ランゲル)で足止め

気象用FAXを受信、天気は大きく崩れそうだ

天気図上  我々の現在地は右の低気圧の寒冷前線と温暖前線の交点

 

港は自然の入り江で、港外からのウネリは防波堤に守られている

冬が迫り先を急ぐ旅ではあるが休息も好いだろう

 

私達のアメリカ滞在ビザのリミットも迫っている

B-1/B-2というビザを取得している

5年間の許可だが、6ヶ月以内に米国外に一旦出国しなくては失効する

7月に入国しているので12月には出国しなくてはならない

今日は10月16日だ、アメリカ最後の港Ketchikanまでは実質4~5日あれば辿り着ける

ここでノンビリしても10月末には出国できる計算だ・・・

写真上 ランゲル・・・トーテムポールの顔

左耳がとれているが熊だそう・・・

写真上  メインストリート・・・なんだか寂しい街だ