9月22日、03時、私は仮眠を取っていた
「貴方! 起きて!外を見て!・・・ホラ!!」と起こされる
北の空が不思議な色に染まっている
私は愕然とした・・・淡い白色が空いっぱいに広がっている
核戦争が始まった・・・・!!!
その下はPrince William Soundだ
プリンス ウィルアム サウンドの北は入り組んだ広い湾で、アラスカ原油最大の積出港が有り、そのバルディーズ(Valdez)港が攻撃されたと思った・・・
妻は「凄いオーロラね・・・」と
なんだ、オーロラなのか・・・
我ながら慌てん坊である・・・・・我ながら肝っ玉が小さいやつだ!
7月7日にアッツ島を過ぎてから幾つもの戦略ミサイルのレーダーを見てきた
写真上 アリューシャン列島の対ソ連ミサイルレーダー基地
それがいつかトラウマになり心の隅に溜まっていたのだろう
そして、この「好天の恐怖」・・・何時か天候は崩れるのだ・・・
この恐怖とない交ぜになり
寝ぼけた頭で、パニックに成ったのだろう・・・・
妻の前で言葉にしなかった・・・
頭の中が整理できるまで寡黙にそれを見つめていた・・・
10時、タンカー通行量が多いという本船航路中央
周囲には全く船影なし・・・
13時、いなり寿司で昼食・・・青空にジェット機の白い雲が幾筋も交差している・・・旅客機の大圏航路の真下なのだろう
14時、気圧1014,5mb、今日も±2mb以内に安定している
北の風5メートル以下・・・凪である
エンジンを整備してくれた「油壺ボートサービス」の藤原さんの話を思い出す・・・
「北の海では何日も凪が続くことがあるよ・・・」と
藤原さんは北洋の漁師だった人だ
天気図の受信が出来ない・・・
アンテナをチェックするとカバーの樹脂が割れ本体が剥き出しだ
分解、樹脂に凝固剤を混ぜ修理、組み立て・・・受信できるか不安
気がつくと北側に氷河海岸の大パノラマ・・・!!!
確かに美しいが、この風景の中に大自然の破壊的パワーを感じ・・・畏敬の念に囚われる・・・・人はあまりに小さく弱い・・・
ここで暴風に遭ったら、私は惨めに降参するしかないだろう・・・
18時、「新宿中村屋のカリー」2袋、圧力釜で炊いたホカホカのご飯で大盛りカレーの夕食・・・レトルトだけど絶品!!
天気図受信成功!・・・この海域を緩い高気圧が覆っている
よし!・・・内海航路へ直行しよう・・・
赤い三日月は水平線から上がり、青く色を変えた・・・
星屑はその光に負け・・・星座は鮮やかに現れる